夏の寝苦しさを解消する3つの「眠テク」〜熱帯夜を吹き飛ばすクールな睡眠法〜

株式会社大和屋ふとん(本社:東京都町田市、代表:齊藤淨一)が運営するオーダーまくらと寝具の専門店「まくらぼ」では、常に客様に適切な睡眠のアドバイスを行えるよう、社員教育の一環として「睡眠学」を取り入れています。本格的な夏をむかえ、睡眠不足になりがちなこの季節に役立つノウハウをまとめました。

■今年の夏は暑くなる予想

気象庁が7月上旬に発表した8月上旬までの「向こう1か月の天候の見通し」では、日本全国が暖かい空気に覆われやすく平均気温が高くなると見込んでおり、特に沖縄・奄美〜東日本までの広い範囲が暑くなるという予想が発表されています。また、気象庁だけではなくアメリカ航空宇宙局(NASA)の気象学者ギャビン・シュミット博士も、2016年4月までの観測結果を元に、今年は観測史上最も暑い一年になる可能性がある、と警告しています。

一般的に人間が快適に眠ることができる気温は夏季で26℃以下と言われており、1日の最低気温が25℃を上回る「熱帯夜」はそのまま「寝苦しい日」と言い換えることができます。温度だけではなく湿度も睡眠の質に大きく関係していて、季節風の影響で夏季に湿度が高くなる太平洋側では更に寝苦しさが増すことになります。
暑さとムシムシした空気で眠れない、寝ても疲れが取れないといった、この時期ならではの眠りの質の低下を防ぐための睡眠テクニック「眠テク」をまとめてみました。

■キーワードは「深部体温コントロール」

人間の体温には体の表面の温度「皮膚温」と、体の奥深くの体温「深部体温」があります。深部体温は人間の活動によって1日の間に大きく変化していて、深部体温が下がるときに人は眠くなります。
「寝苦しさ対策のためには体を冷やしたほうが良い」と考える人もいますが、実は眠りにつく1時間前にぬるめのお風呂やシャワーなどで一時的に体温を上げる方が効果的です。体温を一旦上げると、その後急激に深部体温が下がることになり、眠り初めの眠りの質を上げることができます。

また、起きてから11時間後に行う軽い運動も効果的です。例えば朝7時に起床した日は、夕方の6時頃にウォーキング、ストレッチ、ジョギングなどの軽い運動を行うことで睡眠中の成長ホルモンの分泌が増え、結果的に睡眠の質が向上します。成長ホルモンは糖分と脂質の代謝にも働くため、痩せやすくなるという嬉しい副次効果もあります。

■部屋の温度や湿度を一定に保つ

寝苦しい夜に部屋の温度や湿度を調節するエアコンは強い味方になりますが、高い眠りの質を実現するためには使い方にコツがあります。

タイマー機能を使い寝はじめの時間と起床タイミングだけエアコンが入るようにする方もいますが、実は寝苦しい夜ではエアコンはつけっぱなしにして温度を一定に保つほうが効果的です。またエアコンは連続運転中よりも使い始めに電力を使うため、省エネの観点からもつけっぱなしにしておいたほうが良いというデータもあります。

■明るさをコントロール

人間が目から感じる「明るさ」の刺激は、睡眠の質に直結するホルモン「メラトニン」に敏感に作用するため、明るさのコントロールも大切です。

日本をはじめとするアジアの文化圏では、青を含む強い光を発する蛍光灯が多く使われており、また部屋の全体を照らす「全般照明」という方式で取り付けられていることがほとんどです。この強い光は日常生活でものをよく見る上で助かるのですが、睡眠前には脳を刺激してしまいメラトニンの生成を妨げてしまいます。できれば眠る1〜2時間前からは蛍光灯などは浴びないようにして、オレンジ色の電球色で、部屋の一部だけを照らすスタンドランプのような「局部照明」で過ごすようにすると効果的です。

■「眠テク」を広めたい

弊社が現在11店舗を運営する「まくらぼ」では、お客様の身体に合わせて一つ一つていねいにカスタマイズする「オーダーまくら」などの商品を始めとして、眠りの全てをコーディネートできる店舗を目指しています。睡眠の質を高めるための知識を持った店舗スタッフの教育もその一環です。日本の睡眠の質を高めるため、今後も様々な活動を行っていきたいと考えています。